ALL小委員 |
吉田 真 |
旭川医科大学小児科 |
鈴木信寛 |
札幌医科大学小児科 |
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遠藤幹也 |
岩手医科大学小児科 |
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佐藤 篤 |
東北大学小児科 |
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松本公一 |
名古屋第一赤十字病院小児科 |
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堀部敬三 |
国立名古屋病院臨床研究センター・小児科 |
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堀 浩樹 |
三重大学小児科 |
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磯貝光治 |
岐阜大学小児科 |
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原 純一 |
大阪大学小児科 |
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横井佳子 |
大阪大学小児科 |
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八木啓子 |
大阪急性期医療センター小児科 |
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長谷川大一郎 |
兵庫県立こども病院血液腫瘍科 |
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宇佐美郁哉 |
神戸市立中央市民病院小児科 |
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谷澤昭彦 |
福井医科大学小児科 |
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茶山公祐 |
岡山大学小児科 |
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西村真一郎 |
広島大学小児科 |
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宮地良介 |
産業医科大学小児科 |
ALL小委員会は、JACLS発足の1996年から小児急性リンパ性白血病(ALL)のよりよい治療法を確立するために活動しています。治療研究の対象は1歳から18歳までの成熟B細胞性を除くALLです。1歳未満の乳児例は1歳以上に比べ予後が不良であり、合併症も多く、また日本全体でも1年間に20数例しか発生しないことから、JACLSのみならず他の小児白血病研究グループと共同して乳児白血病委員会を設けて治療法の開発にあたっています。また、成熟B細胞性のALLはバーキット白血病とも言われ、成熟B細胞性の悪性リンパ腫と同じ病態や薬剤反応性を示すことから成熟B細胞性の悪性リンパ腫の治療が適用されます。そのため、このタイプのALLの治療研究はリンパ腫委員会で扱われています。
今までに行ってきた活動内容として、JACLSのALLの治療方針を決めるためにJACLS発足前に各地区で行われてきた治療研究の成績を検証しました。1991年から1995年までにJACLS発足当時に参加していた54施設で診断治療された670例のALLの患者さんの臨床データを基に成績を解析し、その後のJACLSのALL治療研究における病気の治り易さを予測する要因や治療法の構成などの決定の参考としました。1996年11月からALL-96と呼ばれるパイロット研究を行い、JACLSとして初めて行う治療研究の安全性を確認した後、1997年4月からALL-97治療研究を開始しました。
ALL-97治療研究では、わが国で初めてALLの免疫診断と遺伝子診断を中央で統一して行うシステムを導入し、参加施設の診断が均一で精度の高いものになるようにしました。これにより、混合型白血病や分類不能型白血病の診断が統一され、これらの病型の患者さんを対象とした治療研究を行いました。また、最初の1カ月で完全寛解に入らない患者さんを対象とした治療研究も組み入れました。これらはいずれも全国で初めての試みであり、その結果が注目されます。もう一つの特徴は、T細胞性ALLを他のALLと区別して治療研究を行っていることです。前述した成熟B細胞性ALLと同じく、T細胞性ALLもT細胞性リンパ芽球型の悪性リンパ腫と病気の性質や薬剤反応性が似ていることからこれらを同じ治療法で治療する研究を行いました。しかし、成熟B細胞性ALLと違ってT細胞性ALLの治療法は他のALLと共通する部分が多いため他の治療研究グループではT細胞性ALLを高危険群ALLとして治療を強化する方法が採られています。このALL-97治療研究は、2002年3月に673例の登録をもって終了しました。今後、この研究の成果が期待されるところです。
2001年4月からは、一部の施設で新たにALL-01pパイロット研究を開始しました。その結果を受けて改良されたALL-02治療研究を2002年4月に開始して現在に至っています。参加施設は当初の北海道、東海、関西、中四国の4地区に加えて京都大学グループ、東北グループが加わり、全部で106施設と全国一の規模を誇る研究グループとなっています。ALL-02治療研究では、ALL-97の中間解析結果に基づいて治療法を改良し、初期治療の反応性に基づいたリスク分類を導入した他、いくつかの研究課題を掲げています。また、全国に先駆けて遺伝子診断スクリーニングを導入し治療法に層別化に役立てています。その結果、極めて予後不良とされるフィラデルフィア染色体陽性ALLを早期発見し、独自の治療研究が開始されました。ALL-02治療研究では、年間180例の登録が期待され、6年間で1000例を越える症例登録が見込まれています。
Ph1-ALL担当委員 |
吉田 真 |
旭川医科大学小児科 |
佐藤 篤 |
東北大学小児科 |
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松本公一 |
名古屋第一赤十字病院小児科 |
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八木啓子 |
大阪急性期医療センター小児科 |
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足立壮一 |
京都大学小児科 |
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浜本和子 |
広島赤十字原爆病院小児科 |
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ALL-97担当委員 |
代表 堀部敬三 |
国立名古屋病院臨床研究センター・小児科 |
SR-97 八木啓子 |
大阪急性期医療センター小児科 |
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IR-97 工藤 亨 |
札幌医科大学小児科 |
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HR-97 堀 浩樹 |
三重大学小児科 |
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ER-97 西村真一郎 |
広島大学小児科 |
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F-97 吉田 真 |
旭川医科大学小児科 |
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T-97 小田 慈 |
岡山大学小児科 |
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免疫診断 |
駒田美弘 |
三重大学小児科 |
原 純一 |
大阪大学小児科 |
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遺伝子診断 |
堀部敬三 |
国立名古屋病院 |
文責:堀部 敬三